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今月のゲスト平田さん

こんにちは。平田麻紀です。三越に勤めている主人の転勤に伴って96年6月から99年8月までの約3年間、フランスはパリ16区のオートゥイユで生活しました。最初の1年間は、語学学校に通い、ある程度フランス語が話せるようになってから、ブローニュの森にある乗馬学校へ週3、4回と料理学校へ月に一度程度通っていました。帰国後の現在は、1歳になる女児のママン、そしてお腹の中には誕生を待つベビーがいます。当時は主人とふたりっきり、「恋人時代に戻ったような?」生活を、ちらっと皆さまご紹介します。
第16回イメージ

フランスでは霜降りよりも、赤身の肉が上等なの!
平 田
普段は家で食事をすることが多かったので、日本で食べるようなもの、例えば中華とか煮込み料理やてんぷらなどを作っていましたよ。牛肉は日本のような霜降りではなく脂身のない赤身の肉が上等とされているようで、しかも匂いがきつく感じたので、価格が安い割には食卓に登場する回数は少なかったです。それに対し、鶏肉と卵はとっても美味しく、日本に帰ってきてから同じ料理を作っても、素材の違いで味気なく感じてしまうのが残念です。魚介類も豊富でしたが、薄味の煮つけには向かなかったので、洋風の料理や炒め物にして食べていました。
浅 川
そうヨーロッパでは、牛肉は赤身の方が好まれるんですよ。なぜなら本来の肉の味が出るから。肉の味が濃いんですね。霜降り肉が好まれるのは、日本だけなんじゃないかな・・・。やはり日本人は肉食よりも菜食なんでしょうね。魚の煮つけはいやぁ、向かないでしょ!魚介類に関しては日本の市場の方が新鮮だもの。
高 木
鶏肉と卵の美味しさ!私も初めてフランスに行った時にとっても感激したことを覚えています。なんてったって新鮮なんですよ!酪農王国だけあって、乳製品、ミルク、バター、ヨーグルトも豊富。容器も特にかわいいと思ったわ。

フォアグラ、テリーヌ、エスカルゴのバター詰め。フランスで覚えた味です。
平 田
フランスで美味しかったものは、もちろんフランス料理!外食ではベトナム料理もよく食べましたね。『シャルキュートリー』という惣菜屋ではフォアグラやテリーヌ、エスカルゴのバター詰め等をよく買いましたよ。
家庭料理ではアンディーブやポテトのグラタン、鶏肉のフリカッセ、いかのトマトオリーブ煮が好きでしたね!お菓子類はそうね、フランが美味しかった!
高 木
そう、夕方になると『シャルキュートリー』という豚肉製品を扱うお店で様々な惣菜を売っているんですよね。さすが肉食の国!それにしても浅川さ〜ん、フランスの料理がいろいろ出てきましたね!ちょっと解説してくださいな。フォアグラ、テリーヌ、エスカルゴはわかわかるけれど、エスカルゴのバター詰めってどんな料理でしたか?
浅 川
エスカルゴの殻の中に、緑色のバターが入ったものですね。
バターにはニンニク、レモン、パセリ、エシャロットのみじん切りと塩コショウが混ざっています。まず絞り袋に入れてエスカルゴの殻に入れ、缶詰のエスカルゴの身を入れ、その上にまたバターを絞ってあるんです。店で買ってきて白ワインを振りかけてオーブンで焼く。これが美味しいんだな!
高 木
アンディーブのグラタンは?
浅 川
これもポピュラーですね!まず鍋に水を入れて塩と多めのレモン汁を入れ、アンディーブを凧糸で結んで丸ごとゆでる。茹で上がったら汁につけたまま冷やし、冷えたら絞ってハムで巻いて皿に並べて焼きます。焼くときにはグリエールチーズを乗せて白ワインを振りかけてね。これがまた旨い!
ほろ苦くて、大人の味ですね!
それからいかのトマトオリーブ煮ね。フランスでもよくいろいろなものをトマトで煮ますが、これはイタリアの影響でしょうね。それに、フランスでは昔は何でもバターを使っていた。今はオリーブオイルをたくさん使うようになったでしょ?これも健康志向なんでしょうね。ちなみに麻紀さんの大好きだったフランは、プリンのことですよ。
イラスト

ホームパーティーではフィンガーフードが大活躍!
平 田
ホームパーティーには食事はほとんど出ません。例えば、
親しい友人で集まるときには…
プラムをベーコンで巻いてオーブンで焼いたものなど、簡単に指でつまめるおつまみ程度でワイン片手にわいわいすることが多かったですね。
ディナーに招待というときには…
食前酒から始まりきれいなテーブルカバーがかかった、ダイニングテーブルに移動してカトラリーでオードブル、メインと出てきます。
食事にどうぞと誘われたときには…
キッチンにあるテーブルでアンディーブとハムのグラタン。
食後にはチーズといった簡単なものですね。
と、いったように各々のシーンによって様々でしたね。
浅 川
フランスはキッチンに必ずテーブルがあるからね。キッチンテーブルに招かれるのは、特に親しい間柄といった表現かもしれませんね。
フランスではアンディーブはポピュラーなんだけれど、日本では高いからなあ・・・。 もっと安く買えたら日本でももっとみんなに親しまれると思うのに。
高 木
映画などで見ていると、フランスのホームパーティーのシーンで特に若い人達はひと部屋ではなく家中を使って好き勝手に話し込んだり踊ったりしていて、開放感を感じますね。家ごと開放して人を受け入れて楽しむ・・・。こういう習慣があるからこそ、みんな心から楽しんでいるんでしょうね。

フランスの魅力、それは季節感が感じられること。
季節感が感じられるメニュー
平 田
最近日本ではあまり感じられなくなった食材の季節感が、フランスでは野菜も肉も魚もチーズも、全ての食材について旬を感じられたことが楽しかった!春のホワイトアスパラ、秋のジビエ、冬の生牡蠣などがスーパーの店頭やレストランのメニューに並ぶのを見るとわくわしました!
浅 川
そうそう、そうなんだ!フランスは本当に季節感を感じる国なんです。日本はいつでもなんでも揃っていて、何がいつとれるのか分からないもんね。
高 木
ジビエね、いい響きですね!濃厚な赤ワインにジビエ、ステキだわ。
浅 川
最近は見かけなくなってきたけれど、ジビエ好きのフランス人は以前、獲ってきた獲物はすぐに調理しないで軒先につるしておいたんだよね。なぜかわかる?腐る一歩手前までおいて、それから調理をしたんだ。彼らは発酵直前が一番旨いと言うんだよね。でも調理人の僕らにとっては厳しかったなあ、かなりにおうんだよね…。ま、最近の傾向はフレッシュなものを好む人が増えているようだけれど。

ヒラタ風
パリで有名?牛肉の平田風
お買い物は近くの商店街が中心だったという平田さん。パンやチーズや肉を購入していましたが、お肉は固まり肉しか売っていません。薄切り肉が欲しかった平田さんは、何度も通って仲良くなったお肉やさんで、特別に切ってもらうことに成功しました。通ううちに『ヒラタ風』という名前までついたほど。
他の日本人の奥様方もヒラタ風と言って切ってもらっていたようですよ!今ごろパリのポピュラーな言葉になっていたりして・・・。

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