クリスマス編 | おしゃれスープトーク

好評をいただいている、おしゃれスープトーク。これをしっかりチェックしていたら、お料理の腕が3ランクは上がると巷の噂になっているとか、いないとか。さて、今回のテーマは、年に一度のビッグイベント、X'mas。世界中を飛び回り‘食’を探求し続けるおしゃれなオジサマ、キャンベルの浅川秀樹氏と、現在フランスに大ハマリ、フランス語を猛勉強中のフードスタイリスト・高木博子さんの、グローバルトークのはじまりです。しっかりチェックして、今年のホームパーティーには、お友達をびっくりさせよう大作戦!

浅川秀樹…フレンチのシェフを10年努め、探究のため単身渡欧し2年後帰国。帰国後、輸入食品メーカーを経て、現在キャンベルジャパン（株）で業務用スープのビジネスマネージャーに至る。一流シェフとの交流も多数。

高木ひろ子…いろいろな国のスープを食べ歩くのが趣味のフードスタイリスト。TVの料理番組、女性誌などで幅広く活躍中。

高木	早いもので、もう12月ですね。ミレニアムに沸いた日が昨日のようなのに。
浅川	これからはクリスマス、お正月と、ハレのイベントが続きますね。
高木	お客様をお招きしたり、家族で華やかに非日常の食卓を囲むことが増えるから、お料理にも自然と力が入りますね。いやー、これぞ腕の見せ所！お料理上手的演出の、絶好のチャンス到来！頑張らなくっちゃ。よしっ！（ミョーに興奮する高木さん）
浅川	いやいや、そんなに張り切らなくても大丈夫ですよ。家庭で誰にでもできて、華やかなスープをお教えましょう。まずは、壷焼きなんかどうかな？
高木	壷焼きスープって、ロシア料理では器にパンをかぶせてあるんですけど、フレンチではパイをかぶせているんですよね。
浅川	そうそう。あれは形も楽しいし、食べる時にパイを破る瞬間もドラマティックですからね。今はスーパーでパイシートを売っていますから、家庭で簡単にできるんですよ。
高木	えーっ、家庭で壷焼きなんてステキ！教えて教えて！
浅川	簡単簡単。まずね、卵黄を少量の水で溶いて耐熱カップの淵に塗り、器の円周よりも1〜2センチ大き目にパイシートをかぶせます。照りを出すためにパイの上にも卵黄を塗って15分から20分オーブンで焼きます。パイシートの横の部分にも色がつけば焼き上がり。以上。
高木	オーブンの温度は？
浅川	180度くらいですね。器の中のスープは、冷めたものでも大丈夫。もちろん温かくても大丈夫ですよ。
高木	壷焼きにすると、スープの香りが器の中にこもるから、破った瞬間にふわ〜っと、何とも良い香りが広がるんですよね！クリームタイプでも、コンソメでもどちらも美味しいですね。
浅川	そういえば思い出した。以前、これのアレンジタイプの、とてもドラマティックなスープを味わった事がありますよ。ポールボキューズで食べた大統領晩餐会のスープ。トリをベースにしたコンソメスープに野菜とフォアグラ、トリュフが入っていて、層になった折りパイをかぶせて焼いたものだったんだけれど、パイを破ったと同時にバターとトリュフの香りが強烈に広がったの。びっくりしましたよ！値段もびっくりだけどね。20年近く前で、当時4,800円くらいしたんだから！
高木	いや〜ん！浅川さん、ゴージャース

浅川	スープをサーブするときの演出も、ハレのテーブルの一案ではないかな。
高木	召し上がる方の目の前で器に盛る、ってことですよね。
浅川	ここ何年かでよく見られるようになったスタイルなんですが、まずゲストには、器の真ん中に具が美しく盛りつけられたものを出して、スープを後で注ぐ。見せる演出ですね。スマートでなかなか素敵ですよ。
高木	それから、クリスマスには、器にもこだわりたいですね。以前、銀座のロテスリー・レカンでいただいたチキンと野菜のクリームスープは、細くて深い、マグのような形の器に入っていました。珍しい形で、エレガントだったな。口が細いからいつまでも冷めないし、寒い時期にはぴったりですね。
浅川	スープ皿というと、本来はプレートに深みがついたような、間口の広いものを連想しがちだけれど、型にはまらず、いろいろなものを試してみると楽しいですね。

高木	私は、テーブルコーディネートの現場では、スープにはカフェオレボールが一押しです！陶器って暖かみがあるでしょ？それにたっぷり入るから、豊かな感じがするんです。
浅川	両側に取っ手の付いたスープ皿もいいんじゃない？
高木	クリームタイプには、逆に、そのような繊細な器を合わせると、エレガントになりますね。
浅川	X'masの浮き身は、ひと手間加えて☆型やトランプの絵柄型を用意したいね。
高木	そうそう、忘れてはいけないのがテーブルまわり。器をイベントごとに買うのは大変だけれど、テーブルクロスだったら、手芸店で布を買えば数百円でできちゃう！縫うのが面倒だったら、テーブルの大きさに布をカットして、アイロンかけて、両面テープで貼っちゃえばいいのよ。ランチョンマットもあるといいわね。こちらも買ったとしても大した金額じゃないし、手作り大作戦でもよし。紙ナプキンも、最近は輸入のキレイなのが手に入りやすくなってますよ。
浅川	要は、お料理上手は演出上手。頭は使いよう…ってことですね。

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