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キャンベルのカリスマ料理人・浅川秀樹氏と、女性誌やTVで活躍中のフードスタイリスト・高木博子さんのお二人による、スープをめぐる冒険『おしゃれスープトーク』第2弾。前回のニューヨーク事情から、お話しはどんどん膨らんで世界に飛び出した! ワールドワイドなお二人、果たしてどこまで、私たちを連れていってくれるのでしょう?
 
 
浅川秀樹…フレンチのシェフを10年のキャリアを積んだ後、探究のため単身渡欧し2年後帰国。輸入食品メーカーを経て、現在キャンベルジャパン(株)ビジネスマネージャー。一流シェフとの交流も多数。

高木ひろ子…いろいろな国のスープを食べ歩くのが趣味のフードスタイリスト。TVの料理番組、女性誌などで幅広く活躍中。
   


 

高木 私、実は今、フランス語の勉強をしていまして…。いつかフランス留学をすることが夢なんです。
浅川 ほー、フランスか、懐かしいですねぇ。僕は以前、南フランスで働いていた事があるんですよ。
高木 さすが浅川さん、ワールドワイドですね!では、ここで浅川さんのフランス語力をテスト!『ア ラ スーペ!』って言葉、知ってます?
浅川 『ごはんですよ!』って意味の、昔の言葉ですよね。
高木 ピンポ〜ン、正解ですっ! お母さんが家族を食卓に呼ぶ言葉なんですって。ちなみにスーペはスープのことですよね。
浅川 そう。この言葉の中では、『スーペ』は食事を意味しているんですよ。
高木 そっか、日本語の『ごはんですよ!』の『ごはん』が、『お米』ではなく『食事』を指すのと同じだ!スープって、フランスでは日本のお米みたいな存在なんですねー。ナンカ感動だなー。
浅川 はははっ。そうですね。そもそもレストランの始まりは、軒先でスープを売った店のことで、スープは料理の起源と深い深い関わりがあるんです。
高木 ア ラ スーペ!って響き、ステキ。日本で流行らせましょうよ!

 




浅川 高木さん、ポ・ト・フってご存じですよね?
高木 はい、ごろごろ野菜やお肉をブイヨンでことこと煮た、食べるスープですね。
浅川 そう。ポ・ト・フというのは『火の上に鍋を置いた』って意味の言葉なんですよ。
火を使う料理の起源は、このポ・ト・フだということがわかりますね。
高木 全ての料理はスープから始まっているんですね。
浅川 世界中に、その国や地域を代表するスープがあるでしょ。それでは、今度は僕が高木さんをテストしましょう。世界3大スープを10秒以内に答えよ!
高木 いろんな説がありますけれど、私が知っているのはタイのトムヤムクンと、フランスのブイヤベースと、えーと、中国のフカヒレスープかな。
浅川 正解!3大スープには入っていないけれど、これ以外にもロシアのボルシチとか、スペインのガスパチョとか、特徴のある魅力的なスープが世界中にあるんです。
高木 オニオングラタンスープも、地味だけれどはずせない、スープ界の縁の下の力持ち的な存在。私、だーいすき!
浅川 そうそう、高木さんご存じですか?クラムチャウダースープ
高木 やーね、知ってますよ。あさりとベーコン、野菜なんかを牛乳で煮込んだスープでしょ?
浅川 日本では正解!でもアメリカでは不正解です、惜しい!
高木 えっ、どういうことですか?
浅川 正確にはあさりではなく、はまぐりの一種なんですよ。
高木 えっ、あさりだと思ってました!
浅川 ユダヤでは昔、病気になると必ずチキンスープを飲んだそうですよ。
高木 中国にも身体に良さそうなスープが多いですね。それから韓国にも鳥を丸ごと煮込んだ、滋養の詰まったサムゲタン。日本の代表選手は、言うまでもなくお味噌汁ですね。
浅川 僕の働いていた南仏には、魚をすり潰したスープがあるんですよ。採れたての雑魚を丸ごと使うから色は茶褐色でキレイとは言い難いんだけれど、コクがあって美味しいんですよ、これが。
高木 栄養がぎっしり詰まっている感じで、聞いただけで身体に良さそう!飲んでみたい!
浅川 スープはその地域に暮らす人々の生活を現す、言ってみれば文化ですね。
高木 岡本太郎の『芸術は爆発だ!』ならぬ、浅川秀樹の『スープは文化だ!』発言!『ア ラ スーペ!』と共に、この言葉も流行らせましょうよ。

私たちに馴染みの深い“ポタージュ”という言葉。日本ではコーンやジャガイモなどの野菜を漉した、とろみのあるスープを指しますが、これは日本独特の使い方なんですって。フランスで『ポタージュ』といえばスープの総称。コンソメスープも『ポタージュ』の部類に入るそう。ちなみに『ブイヨン』はスープを作るためのだし汁のこと。ソースを作るための出汁は『フォン ド ヴォー』といいます。これであなたも、今日からスープ博士! お友達に自慢してね。

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