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第12回 おしゃれスープトーク
第12回イメージイラスト
おしゃれスープトークでは
輸入食材編〜豆類を上手に使おう〜
キャンベルのカリスマ料理人・浅川秀樹氏と、女性誌やTVで活躍中のフードスタイリスト・高木博子さんのお二人による人気コラム。前回、前々回、前々前回と好評連載の輸入食材をめぐるトーク。まだまだネタは尽きず、今回もひっぱるぞー!(といっても、今回が締めくくりです。)盛りだくさんのアイディアを拝借して、お料理Go!Go!センスアップGo!Go!
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浅川秀樹…フレンチのシェフを10年努め、探究のため単身渡欧し2年後帰国。帰国後、輸入食品メーカーを経て、現在キャンベルジャパン(株)で業務用スープのビジネスマネージャーに至る。一流シェフとの交流も多数。

高木ひろ子…いろいろな国のスープを食べ歩くのが趣味のフードスタイリスト。TVの料理番組、女性誌などで幅広く活躍中。

ヨーロッパの人は、お豆が大好き!?
高木
フランスに行くと、いろいろな種類のお豆を見かけますね!
浅川
そう、日本と比べると、本当にたくさんの種類がありますね。色とりどり、形や大きさも様々な豆が店頭で売られています。豆料理も豊富ですよ。
高木
そういえば、日本でも大人気だった映画『アメリ』にも豆が登場しますね。アメリは豆の袋の中に指をざぁっと指しこむのが大好きなんですよね。
浅川
そうでした、そうでした。あの映画、面白かったね。
高木
日本では、豆といえばほとんどが大豆でしょ、ヨーロッパでは、例えばどんな豆が、どんな料理になるんですか?
浅川
豆は何にでも使っていますよ。とくにスープに入れるのが多いかな。手軽だしね。クリームスープだろうが、ミネストローネだろうが、もう、なんでも!一番よく使われているのは、白いんげん豆かな。
高木
日本では、豆って、甘辛く煮るくらいですよね。なんか地味な存在・・・。

白いんげん豆、レンズ豆、キドニービーンズ・・・
浅川
今でこそ健康食品として注目されている豆ですが、その昔は、戦時中の食糧不足の代用品だったんですよ。米のない時に代わりに豆を食べた。だから、辛かった過去を思い出させちゃうんでしょうね。昔は、豆料理をやると店が流行らない、とまで言われたくらいなんですよ。
高木
最近の人気傾向を見ると、今ではすっかりそんなイメージが払拭されてきたんでしょうね。私自身にも、そんなイメージはまったくないですもの!私、レンズ豆のカレー、大好き!
浅川
フランスでもレンズ豆は人気です。
高木
えーっ、日本と同じなんですね、フランスでも!
浅川
でも、フランスだけではありませんよ。人気のエスニック料理でも、たとえばメキシコ料理のチリコンカン。スパイシーなひき肉料理ですが、キドニ−ビーンズはなくてはならない存在です。
高木
今の若い人たちにとって豆は、健康という付加価値がついた、オシャレな今っぽい食材になんですね。

スタイリストの高木さん、輸入食材のパッケージ、どう使ってますか?
高木
浅川さん、そういえば私、以前友人から、ドライトマトのオリーブオイル漬けをイタリアみやげにもらったんですね。
浅川
ほーっ、で、どうでした、美味しかった?
高木
あんずみたいですごく美味しかったんです!で、後日談。あまりの美味しさに輸入食材店に直行して、塩漬けのドライトマトを購入した。
浅川
ふむふむ。で、どうでした、美味しかったですか?
高木
それがね、以前食べたものとはぜーんぜん違った!同じドライトマトでも、味はまったく別物でショックだったんです!
浅川
お答えしましょう。高木さんが最初にもらったものは、質の良いものだった。で、ご自分でお買いになったものは粗悪品だった。以上です。
高木
えーっ、粗悪品!?
ドライトマトのイラスト
浅川
そうです。そもそもドライトマトは、良いものは塩を使わないで天日干しをしている。水分が飛んでいて、杏を思わせる甘くてとても美味しいものなんです。でも、大量生産をしようとすると、時間がかかって腐ってしまう。それで、塩を使うんですね。塩を使えば腐らないし、生産効率が上がるんです。というわけで、今後は塩を使ったドライトマトは、あまり買わないほうが…。
高木
えーっ、そうなんですか!粗悪品…ショックー! 知っていることって、大切なんだわ。
浅川
輸入食材には、乾燥したものも多いですね。例えば僕が気に入っているもののひとつに、ポルチーニセッキがあります。
高木
乾燥させたポルチーニ茸ですね。
浅川
そうです。あれ、水に漬けて戻すでしょ。そしたら戻し汁は捨てちゃダメですよ。砂などが含まれている下の方は使わないで、その上澄みを上手にすくって、リゾットやパスタの味のベースに使うとめちゃくちゃ美味しいですよ。まさにプロの味になります。
高木
ポルチーニは香りもいいですものね!
浅川
そうそう、戻し汁を煮詰めて、魚のソテーのソースにしてもいいですよ。
高木
いやー、本当にお勉強になりました!私も輸入食材をもっと取り入れて、お料理上手を目指そうっと!がんばるぞー!!

スープフェチこぼれ話

浅川氏イラスト 「浅川流・食材民俗学〜オリーブとチーズ」
海外料理&食材通・浅川シェフの食材世界民俗学講座です。ヨーロッパの人にとって、無くてはならない“オリーブとチーズ”。浅川さんによると、オリーブは日本の梅干、チーズはお新香、のような存在だそうです。ふ〜む、こう聞くと理解しやすいわ!ちなみに、日本では“メロンの上に乗せて食べる一辺倒”のプロシュートですが、これは、料理の隠し味としても使われることが多いそう。ぜひトライしてみてね。
オリーブとチーズ イラスト

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