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「平日は、プログラマー。そして日曜はギターの講師。まあ、どちらも同じ僕ですよ。」
洋平がギターをかかえて店にやってくるのは、きまって日曜だった。
「その2つは、まったく種類のちがう職業ってかんじがするけどもね。」
「そんなことないですよ。見ててください。プログラマーのときがこう。」
そういって、洋平はかたかたと指を動かしキーボードをうつ真似をした。
そしてギターのとき、と言って今度ははげしい動きでギターをかきならす格好をし、
きゅうにばっと顔をあげ、ほらね、と言ってカズトを見た。
なにがほら、なのかわからず、カズトはめんくらってしまった。
「この手の中の限られた範囲から、一方はいろんなプログラムの言葉が、
一方はメロディーが無限に生まれ、ひとつのかたちをつくっていく。ほら、同じだろ。」
伝えたい内容にあわせて手を動かしながら、洋平は説明する。
「なるほど。でも同じだって言うんなら、ギターではなくピアノのほうがキーボードに近いね。」
マスターは鼻歌を歌いながら、鍵盤をならす格好をした。
「まあ、確かにそうですね。僕にとっては、実際なんでもよかったんです。楽器なんて。」
「なにか思い入れがあってギターをひいているんじゃないのかい?」
マスターの声は、人の心を素直にさせてしまうような不思議なひびきがある。 |